【ホラー小説書評】雀蜂/貴志祐介
【ホラー小説書評】死人を恋う/大石圭
あらすじ
(クリスマス・イヴに死のう)人里離れた山林に死に場所を求めた「僕」の前に、一台の車が現れた。やって来たのは、自殺サイトで知り合ったらしき男女6人―。彼らの最期を陰から見届けた僕は、その中の一人の美少女に目を奪われた。彼女のあどけない死に顔が、僕の冥い欲望に火をつけた…。人間の深い業を描き、戦慄の世界へと誘う衝撃の書。
書評
続きを読む【ホラー小説書評】人を殺す、という仕事 /大石圭
あらすじ
僕のもとにある日届き始めた一通の手紙。そこに書かれた指示に従うことで、僕の人生は驚くほど順調だった。手紙のお陰で、今後も幸福な人生が続くと信じていた。それが「殺人」を命じるまでは。従わなかった結果―母が死んだ。次は妻や娘たちの番だというのだ。あどけない少女、臨月の妊婦…僕は次次と手を血に染めていく。邪悪で美しい、傑作「暗黒小説」。
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【ホラー小説書評】ZOO2/乙一
あらすじ
天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集その2。目が覚めたら、何者かに刺されて血まみれだった資産家の悲喜劇(「血液を探せ!」)、ハイジャックされた機内で安楽死の薬を買うべきか否か?(「落ちる飛行機の中で」)など、いずれも驚天動地の粒ぞろい6編。文庫版だけのボーナストラックとして、単行本に入っていなかった幻のショートショート「むかし夕日の公園で」を特別収録。
書評
乙一による色々なジャンルのショートストーリーを集めた短編集その2。
以前紹介したZOO1とは少し異なりポップな雰囲気の話が多め。とはいえグロい表現やえげつない終わり方をする話は顕在で、さすがは「乙一ワールド」といったところか。
今回も各ストーリーで「黒乙一」「白乙一」で分類していきます。
①血液を探せ!:?
痛みを感じない体質の資産家が、眠りから起きると腹に包丁が刺さっていて、犯人を捜す話。とにかく登場人物が変な人ばかりで、ボケ老人の医者、露骨に遺産を期待している妻、アホな息子たち…そのおかげで終始喜劇のような感覚で読める、シンプルなミステリー。
②冷たい森の白い家:黒!真っ黒!
カオスな話です。
奴隷のように扱われた子供が家を追い出されて山の中で暮らし、人を殺してその死体で家を作るという話。…意味が分からんですなあ(´・ω・`)
短い文章で淡々と進んでいくので、一気に読見終えることができる分、読み終わった後に「なんだこの話は…( ゚д゚ )」となること間違いなし。
③Closet:?
シンプルなミステリーですね。ネタバレになるので特に内容は描かないですが、白でも黒でもない普通のトリック小説です。
④神の言葉:黒
自分の言ったことが、どんなことでも実現される少年の話。その力を多用するあまり、どんどん取り返しのつかない状況なってしまい、最終的にはとんでもないことになってしまう。人間の闇を描いたブラックな話。
⑤落ちる飛行機の中で:黒
これが一番面白い。
ハイジャックされた墜落しそうな飛行機の中で行われる、セールスマンと女の全く緊張感のない会話が大部分を占める話。死ぬなら痛みを感じずに死にたい女に対して、死ぬ前に一度でもいいから高いものを売りたいセールスマンが安楽死できる薬を売ろうとする。
登場人物がみんなどこか間抜けで面白い。
⑥むかし夕日の公園で :黒
ものすごく短い話。不思議でちょっと怖い。
こんな人におすすめ
- ミステリーが好きな人
- ホラー小説初心者
【ホラー小説書評】地下牢の女王/大石圭
あらすじ
熱狂的ファンからのメールに添付された写真。その美貌に小説家の目は釘づけになった。メールのやり取りを重ね、近づいてゆく距離…。そして女の自宅へと招かれた夜。甘美な期待は、恐怖と絶望へと一変した!女は薬で眠らせた彼を地下室に監禁したのだ。―私が発表するための小説を書きなさい。拒めば、身の毛もよだつ責め苦が待っていた。狂気の監禁劇。