こわいものみたさ|おすすめホラー小説の書評

ホラー小説の書評・感想をメインにご紹介

理不尽

【ホラー小説書評】砂の女/安部公房

砂の女 (新潮文庫) あらすじ 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活…

【ホラー小説書評】クリムゾンの迷宮/貴志祐介

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫) あらすじ 藤木芳彦は、この世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面、深紅色に濡れ光る奇岩の連なりが覆っている。ここはどこなんだ?傍ら置かれた携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷…

【ホラー小説書評】死者の体温/大石圭

死者の体温 (角川ホラー文庫) あらすじ 安田祐二は30歳。砲丸投げの元日本代表選手で、今は不動産管理会社の経営企画室に勤めるエリート会社員。ハンサムで温厚。にこやかで職場や近所での評判もよく、湘南の洒落た高級マンションに1人で暮らし、クラシック…

【ホラー小説書評】復讐執行人/大石圭

復讐執行人 (角川ホラー文庫) あらすじ 香月健太は33歳。3つ下の妻と5歳と6歳の娘たちと4人で横浜市郊外の住宅地に暮らし、大手家電メーカーの横浜営業所にサービスエンジニアとして勤務している。平凡でありきたりの毎日だったが、香月健太は心の底から…

【ホラー小説書評】人を殺す、という仕事 /大石圭

人を殺す、という仕事 (光文社文庫) あらすじ 僕のもとにある日届き始めた一通の手紙。そこに書かれた指示に従うことで、僕の人生は驚くほど順調だった。手紙のお陰で、今後も幸福な人生が続くと信じていた。それが「殺人」を命じるまでは。従わなかった結果…

【ホラー小説書評】鼻/曽根圭介

鼻 (角川ホラー文庫) あらすじ 人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、二…

【ホラー小説書評】他人事/平山夢明

他人事 (集英社文庫) あらすじ 交通事故に遭った男女を襲う“無関心”という恐怖を描く表題作、引きこもりの果てに家庭内暴力に走った息子の殺害を企てる夫婦の絶望(『倅解体』)。孤独に暮らす女性にふりかかる理不尽な災禍(『仔猫と天然ガス』)。定年を迎えた…

【ホラー小説書評】60秒の煉獄/大石圭

60秒の煉獄 (光文社文庫) あらすじ 「あなたに特別な力を授けます」。天使か悪魔か―謎めいた美少女が人々に授けたのは、たった1度だけ時間を1分間止める能力だった。世界のすべてが静止する60秒。誰にも知られず、邪魔されることもなく、思うがままにどん…