【ホラー小説書評】パラサイト・イヴ/瀬名秀明
あらすじ
"Eve1"。
若き生化学者の永島利明にとって、それは非業の死を遂げた愛する妻・聖美の肝細胞にほかならなかった。だが彼は想像もしなかった。その正体が、≪人間≫という種そのものを覆す未曾有の存在であることを…!
第2回日本ホラー小説大賞を受賞、日本のエンターテインメントを変えた超話題作ついに文庫化!!
書評
1995年に出版された有名な小説です。第2回日本ホラー小説大賞を受賞してますし、その後映画化やゲーム化までされているので、名前ぐらいは聞いたことある人も多いかと思います。
これは「ホラー小説」 というよりは「バイオSF小説」というジャンルに属したほうが適切だと思います。
ストーリーをざっくり言うと「ミトコンドリアが反乱して究極の生命体の誕生を目論む」です。・・・なんのこっちゃって感じですが笑
ミトコンドリアは元々細胞の中でで核の支配下に置かれ、ただただエネルギーを生み出すだけ器官だったが、とあるミトコンドリアが核を自らの支配下に置いてエネルギーを思い通りに利用することで、自由に細胞分裂したり宿主(=人間)をコントロールしたり、さらには人を燃やしたりサイコキネシスを使ったりと、最終的にはとんでもないことになります笑
発想が普通じゃないですよね。こんな革新的な話がデビュー作なんですね。しかも執筆当時が大学院生(薬学部)だったそうです。
けっこう専門的な記述が多く、一般ピーポーは理解するのに苦しみますが、まあ理解しなくても話は分かります。中盤は若干退屈な部分もありますが、終盤は一気にストーリーが進みます。またSF感もぐっと増してきます。
ホラー小説として期待して読むと多少がっかりするかもしれないので、SF小説と思って読んでください。
こんな人におすすめ
- 長編SFが好きな人
- バイオものが好きな人